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DNAの収納原理を・・・・。 


エイリアンDNA

まだまだ未解明の謎「DNAの“収納”」、生物の遺伝情報の収納原理を明らかにすることで、
超省エネデバイスの動作原理にもつながる研究になる。

ヒトの体は約60兆個の細胞から出来ており、その一つ一つの細胞の大きさは、その種類にも
よるが、およそ20ミクロン(0.02ミリメートル)程度である。だが、その細胞の中には、
長さ約2メートルのDNAが収納されている。細胞が分裂する際、DNAはコンパクトに凝集し、
染色体というものになる。長いDNAが細胞の中にどのように収納されているか、それを
解明すれば・・・・・。


生命の設計図と呼ばれるDNAには、私たちの細胞を構成したり、その働きを担う様々な蛋白質が
遺伝子としてコードされている。遺伝子から情報が読み出されるためには、その遺伝子のスイッ
チがオンになる必要がある。

遺伝情報の読み出しのためには、長いDNAから必要な遺伝子スイッチを探し出す必要があり。スイ
ッチの探し方を知るために、まずはDNAがどのように整理整頓され、収納されているのかを知らな
くてはならない。
************

細胞のなかのDNAの収納については、1976年頃に提唱された階層型のモデルが定説となっていた。
ヒトのDNAは細い糸状で、“ヒストン”という小さなタンパク質に巻き付いておよそ10ナノメート
ルの“ヌクレオソーム線維”になり、そのヌクレオソームがらせん状に規則正しく束ねられて、
およそ30ナノメートルの“30-nmクロマチン線維”になる。このクロマチン線維が、さらにらせん
状に規則正しく階層構造(積み木構造のようなもの)を作っているというものである。電子顕微鏡
により30ナノメートル、100ナノメートルなどの大きな階層構造のようなものが観察されており、
このモデルは多くの研究者に受け入れられていた。

************

ところが、構造遺伝学研究センター、生体高分子研究室、前島研究室の前島一博教授は、「ヌクレオ
ソーム線維は規則正しく折り畳まれることなく、細胞の中にかなりいい加減な状態で収納されている。」
というもので、従来の定説を覆すものである。

当初は、ドイツの研究グループと共に、より詳しい構造を明らかにするために、生きている状態に近い
細胞をそのまま急速冷凍して観察できるクライオ電子顕微鏡を用いて、染色体を調べていた。ところが、
ヌクレオソームに相当する10ナノメートルの構造は見つかったが、クロマチン線維に相当する30ナノメ
ートルの構造は見つからなかったのだ。

あれこれ調べていくうちに、「もしかすると規則正しいクロマチン線維は無いのかもしれない。」と思
い始めた。「ある日突然『無いかもしれない』と思ったわけではなく、いろいろと調べていくうちに
『無い』という確信がだんだんと高まってきたということです。

そこで次に前島教授は、理化学研究所と共同でSpring-8の放射光によるX線散乱による構造解析を行った。
ところがX線散乱解析の結果には、30ナノメートルのピークが見えていた。

なぜクライオ電子顕微鏡で見えなかったものがX線散乱では見えたのだろうか。クライオ電子顕微鏡の画像
をよくよく解析してみると、染色体のふちに細胞内でタンパク質を作る“リボゾーム”がたくさん付着して
いることが分かった。リボゾームの大きさは約30ナノメートルなので、これがX線散乱では30ナノメートル
のピークとして検出されていたのだ。リボゾームを取り除いてX線散乱解析したところ、30ナノメートルの
ピークはなくなり、クライオ顕微鏡での観察結果と一致した。ここでようやく、染色体の中には、規則正し
いクロマチン線維も、さらなる階層構造もほとんどないことを確信し、2012年に論文を発表した。最近、
他のグループからも前島教授と同様な結論の論文が発表されている。

***超省エネデバイスの動作原理にもつながる研究***

「生物には、きちんとした構造を作るよりも、多少いい加減でも、少ないエネルギーで作れる構造を採用
する場合が多々見られます。そうした生物の原理を、この研究で明らかにしようとしています。」(前島教授)
“情報の検索に必要なエネルギー”という観点から見ると、DNAが規則正しく折りたたまれている従来の
モデルよりも、かなりいい加減に収納されている前島教授のモデルの方が合理的だ。情報が記録されたDNA
をきっちりと折りたたむ構造では、たたむためのエネルギーが必要になるし、中から特定の情報を取り出す
ために全部ほどかなくてはいけないので、またエネルギーが必要となる。それよりは、最低限必要な構造だけ
作って、いい加減にたたむ方が、情報を取り出すのに必要なエネルギーは少なくなる。また、規則正しく、
きっちりと折りたたむ場合に比べて、個々のヌクレオソームが動ける余地が増え、必要な遺伝子スイッチの検索
に効率が良いだろう。

現在取り組んでいるのは、細胞の中で、このダイナミックなヌクレオソームの動きを明らかにすることだ。ヌク
レオソームを光らせて光学顕微鏡でゆらぎを観察し、動きを解析する。タンパク質はゆらいでいるヌクレオソー
ムの中を移動して行きたい場所を探し出すと思われるが、その移動にブラウン運動を利用することでエネルギー
を使わず検索できる。「この仕組みを解明できれば、工学部品で使われるメモリーの消費電力を飛躍的に低減する
原理になる可能性があります。」(前島教授)

⇒構造遺伝学研究センター 生体高分子研究室 前島研究室
【 国立遺伝学研究所】←ここをクリックする!



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murayuki

Author:murayuki
19●●年生まれ。
船橋市在住。
趣味はCGとイラスト。
**受賞歴・・・・
文化庁メディア芸術際
企画展において。

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